ブログについて

いろいろ考えました。二週間くらい前にランキングに参加して、今はいつも100位くらいのところにいるみたいですが、上位にいる人たちは、どうやらわたしとはまったく別の世界にいるようです。ブログがきっかけで、いろいろな人とつながりを持ったり、毎日100以上のコメントや誹謗中傷の意見をいただいたり、あるいはそれが新たな商売につながったりしているようです。なんかものすごい論争になってたりもしてます。ブログというのは、やはりそもそも独り言であり、個人の日記なのですが、だんだん読者が増えるにつれて、読者の皆さんを意識して、彼らが求めることを理解しなければならなくなります。そして読者に支えられて、このブログがあるのだという意識を持たなければならなくなるようです。
これはいったいどういうことなのでしょう。先ほどブログは独り言であり、個人の日記であると書きましたが、おそらくそれが間違いなのでしょう。独り言であれ、言葉として自分の外に出た時点で、わたしたちの思考はわたしたち自身のものではなくなってしまいます。わたしたちが言葉に出して思考するということは、自分の考えを外から見直すということなのですから。でも、そういった独り言に、どんどんまったく別の人たちの言葉がかさなって、自分の思考をかき乱すほどの会話の渦へと発展していくというのは、まったくシュレーバー的だな、とも思います。『シュレーバー回想録』をはじめて読んだとき、これはインターネット的な世界だと思ったのですが、まさにブログにおいて展開されていることと同じですね。シュレーバーは自分の考えたことが、自分の外部にいる者たちによって反復され、コメントをつけられ、そして誹謗中傷されてしまいます。彼はこのやり取りをすべて自分ひとりで書き綴ったがために、分裂病とされてしまいましたが、わたしたちがいる世界は案外これに近い状況にあるのではないか、と思います。