なぜか

眠れません。あせっているわけではないけど、気持ちが落ち着かなくて寝付けません。仕方ないから焼酎を飲み始めました。こういうときに考えるのは、いつも明日以後の予定のことです。思えば、今月はこれといって学問的な活動をほとんどしていませんでした。ゼミ発表をして、そのあとは非常勤とドイツ語の集中講座。夏休みの論文、秋の学会、まだまだやるべきことは山積みなのに、何も進んでいません。自分では、今月は休みなんだと思うことにしていましたが、ふと周りを見回せば、みんな次の仕事に追われています。このまま休みぐせがついてしまうと夏休み以後をふいにしてしまいかねないので、気持ちを入れ替えなければなりません。
夜に、星里もちるの『本気のしるし』*1を全巻一気読みしました。先日ブクオフで見かけて面白そうだったので、ネット古書店で買いました。物語の展開がよくできていて楽しめました。仕事にも恋愛にも、本気になれず、いつも回りの人間を傷つけてばかりいる主人公になぜか共感できました。この作品のテーマは、愛し方のわからなさ、愛され方の難しさなのかなと思います。とくに重要なのは後者です。人から好かれるのなんてめんどくさくていやなものだけど、一人の寂しさを感じるのもイヤだ。本気で好きな人じゃないから拒絶するよりは、好きじゃなくても相手の物語に波長を合わせたほうがどちらのためにも気持ちがいい。主人公同様、わたしもいつもそんな風に考えています。演出過剰な教師であるのも、そのひとつの現れです。この漫画そのものは、結局新たな場所を見つけてハッピーエンドにいたるのですが、ドロドロの愛憎劇は、読者の心に残ります。
ネットで星里もちる氏について調べてみましたが、わたしは中学生ごろから兄の影響もあったりして、この人の作品はけっこう読んでることを思い出しました。やはり思い出深いのは、ちょうど高校生のころに読んでいた「りびんぐゲーム」ですが、それ以外にも2,3年周期で作品を完成させています。読み始めたころは、絵のかわいさが売りだけど、ストーリーはちょっと甘いかな、と思ってたけど、どれもなかなかよくできています。こういう人もいるんですね。